2024-04-01 活動報告9



Be with Ayano Anzai 支援者のみなさま

日頃から本団体にご支援をいただきましてありがとうございます。Be with Ayano Anzai 代表の関です。第9回活動報告をお送りいたします。前回の活動報告より長くお時間を頂いたことをお詫び申し上げます。


──────

1. ふたつの訴訟の経過報告
2023年8月29日、東京高等裁判所にて合同会社カオスラが安西彩乃さんとnote株式会社に対して提起した訴訟の控訴審の判決が言い渡されました。カオスラが否認する黒瀬氏のセクシュアルハラスメントは第一審判決に引き続き事実認定されたものの、カオスラ(黒瀬氏、社員F、スタッフK)による組織的な退職勧奨の事実は認められませんでした。(判決の詳細と批判を団体HP「〈訴訟1〉控訴審判決のお知らせ」の中で掲載しています。)

双方が控訴審判決を不服とし、安西さんは上告状とその理由書を、カオスラ側は上告受理申立書その理由書を、それぞれ最高裁判所に提出しました。現在、最高裁からの通知を待っている状況となります。

<訴訟2>労働訴訟
2023年5月18日に東京高等裁判所にて安西さんが黒瀬陽平氏、合同会社カオスラ、カオスラ社員F、スタッフKに対して提起した訴訟の控訴審判決の言い渡しがあり、控訴審判決を不服とした安西さんが、最高裁に対して上告受理申立を行っていました。2024年1月17日に、最高裁判所より通知が出され、安西さんの申し立てが受理されないことが決定しました。これにより、控訴審判決を以てこの訴訟は終了となりました。

──────

2. 新たな訴訟の開始について
2023年7月27日、カオスラ社員F・スタッフKから安西彩乃さんに対して新たな訴訟が提起されました。訴訟1・2の判決を根拠に、原告が違法な退職勧奨やハラスメント行為をおこなった事実は存在しない、被告安西さんの投稿した記事内容は虚偽である、これによって著しく社会的評価を低下させられたとして、原告2名それぞれに対して賠償金110万円を支払うよう安西さんに求める訴訟です。

本団体は、カオスラ側2名より提起されたこの訴訟を批判的に捉えています。カオスラ側は、一度は行った謝罪を撤回し対話による解決や第三者による調査を放棄して法的手段に踏み切ったことへの反省、黒瀬氏のセクシュアルハラスメントについての説明を公の場で一切行っていません。そして現在も、社員Fとセクハラ加害を行った黒瀬氏がともに芸術活動を続けている状況を鑑みても、この訴訟提起の社会的正当性を疑わざるを得ません。

訴訟提起は自由ですが、止むに止まれず告発という手段をとった安西さんを名誉毀損で訴える行為は、彼女に精神的・経済的負荷を負わせ、追い詰めていく手段です。訴訟の影響により、もう4年以上も安西さん個人の生活の基盤が損なわれ続けている事実がある以上、支援団体は本訴訟提起を批判します。カオスラ側の「名誉」は彼らの不誠実な対応の結果として、失うべくして失われたもので、裁判によって回復できるものではありません。まず考えるべきは自らの名誉ではなく、一連の問題への反省のはずです。

──────

3. 支援金についてのご報告
税理士監修のもと決算報告書(2023年7月まで)を作成しましたのでご報告いたします。2023年度の会計報告につきましては、会計処理後に追って公開予定です。

カオスラ元社員・元スタッフによる新たな訴訟提起やふたつの訴訟の上告へ向けた手続きに伴い、目標寄付額を¥4,500,000に改訂いたしました。頂いた支援金は、訴訟費用のほか、医療費、団体の活動に伴う諸経費等に利用させていただきます。
2021年2月の団体発足から2024年3月末日までの支援金総額は以下となります。
支援金総額 ¥4,199,558(目標金額 ¥4,500,000 ※2024年4月1日改訂)

継続した活動には皆様のご支援が不可欠であることを身に染みて感じています。皆さまのご支援に改めて深く感謝申し上げます。




──────

4. 団体の活動再開について(副代表・古賀より)
税理士監修のもと決算報告書(2022年8月~2023年1月)を作成しましたのでご報告いたします。

2021年2月の団体発足から2023年1月末日までの支援金総額は以下となります。

支援金総額 ¥3,367,866(目標金額 ¥2,800,000)

皆さまの多大なご支援により団体発足時に定めた目標金額を達成いたしましたが、最終的な裁判費用が確定するまでは引き続き寄付窓口を開放しています。今後、控訴審の進行状況などによっては目標金額を改訂し改めて広く寄付をお願いする可能性がございます。継続した活動には皆様のご支援が不可欠であることを身に染みて感じています。皆さまのご支援に改めて深く感謝申し上げます。

──────

5. 団体の活動再開について(副代表・古賀より)

副代表の古賀です。
昨年11月より情報発信の活動を休止しておりましたが、本日より再開します。

2021年より活動を開始した本団体ですが、ハラスメント被害、またその支援に伴う困難を、3年が経った今改めて感じています。

私個人として、この1年ほど活動に参加することが難しかったり、安西さんや団体メンバーとのコミュニケーションに悩む場面が多くありました。自身の生活、安西さんとの大切な友人関係、その上で支援団体として自発的な活動を行うための時間・心身のリソースのバランスを保つのは難しく、支援をしたいという気持ちだけでは解決できない問題も常にありました。結果昨年末、他メンバーへの負担の偏りからこれまで通りに活動を進行することが困難になり、団体として、情報発信を一時的に休止するという形を取りました。

支援団体の活動では、一つの書面を公開するのに何層もの必要な段階があります。書面を読み込み主張を整理し、私たちは法の専門家ではないので、その都度わからない用語を調べます。そしてプライバシー保護のために個人名等を黒塗りします。小さな抜けが、倫理的な問題に発展するかもしれないという不安を抱えて、何十ページもの書面を何度も読み返します。被害をありのまま記した書面を支援者も安西さんも読み、確認することになります。痛みを伴う作業です。内容に則してSNSに掲載する文章をその度考え、内容の齟齬や法的な問題がないかを検討し、メンバー皆の了承を得て、公開します。

訴訟という手立ては、第一に被害当事者の、そしてその支援者の心身をじわじわと消耗させるものです。そうして3年以上、苦しみながら進行してきた訴訟の結果は現段階で納得できるものではありませんでした。これまで公平な判断がなされるはずと望みを持っていた法というものに救済されない現実に、大きな失望を覚えます。そんな中で加害側の自由な表現活動をSNSで目にするとき、誰かが加害側に立った主張をしているのを目にするとき、明確に体がダメージを負っているのを感じます。

Be with Ayano Anzaiの活動は、葛藤しながらも積み重ねてきた私たち以外には決してできない活動だと言いたいです。同時に、自分が必要だと思い自発的に集まった人間たちの活動であり、いつ逃れることも不可能ではありません。被害当事者であることから逃れる選択肢のない安西さんが、そのような立場の私たちと共にあることには、想像のつかない悩みがあるのだと痛感します。日々立場の違いに悩み、都度対話を続けてきました。私たちは今後もそうして、安西さんと共にいます。

今回の休止に伴ってメンバー間で活動の方法を再考し、体制を整え再開の運びとなりました。たくさんの支援者の方の支えがあってのことです。感謝しています。みなさんと共に今後も活動を続けていきたいです。

私たちの発信を通し、類似する被害の渦中にある方や支援者の方が、公正にこの問題について目を向け続けることを望みます。

──────

今後とも安西彩乃さんの裁判に関心と応援をお寄せくださいますよう、よろしくお願いいたします。

Be with Ayano Anzai








© 2024 by Be with Ayano Anzai